砥粒流動加工について

1960年代にアメリカで開発されました砥粒流動加工(AFM)は、バリ取り、研磨、R付け等の表面仕上げに有効な手法です。
AFMでは、粘弾性のあるポリマーに砥石を混ぜ込んだメディアを設定された圧力、温度、流量でワークの表面に流すことにより加工を行います。

砥粒流動加工の原理

AFMでは、他の加工法では到達できないような内面や複雑な面の上や角に、砥石とポリマーを混ぜ合わせたメディアを流すことによって加工を施します。AFMでは特に内面の輝き、バリ取り、R付けを得意としますが、適切に設計された治具を用いて外面および角部部分の加工も応用されます。
AFM装置は油圧駆動ですが、適切制御された圧力でメディアが双方向に押し出されることにより高精度の表面仕上げを行うことが可能なのです。

砥粒流動加工の仕上げ精度

AFM加工の表面仕上げ精度は0.05µm、細穴バリ取りは50µm、R付けは0.025㎜ to 1.5mm となります。
AFMでは、ワークの表面を均一にミクロの精度で加工することにより表面の処理を細かくすることが可能です。

高い仕上げ精度

AFM加工では、メディアがワーク表面の表面を往復する際に非常にワークの小さい粒子を均一に取り除いています。この微細粒子除去が上質で均質は表面仕上げを提供します。

砥粒流動加工の適用

メディアと機械、冶具の適切な組み合わせにより、AFMは形状別、材料別、生産量別、産業別に種々の部材加工への応用が可能です。

メディアについて

高粘弾性メディアは高精度を要求され、内面を均一に仕上げる金型仕上げに用いられ、低粘弾性メディアは流れを加速することによりワークのバリ取り、R付けに用いられます。
メディア製造においては、ワークの形状、材質、加工目的によりガム状キャリアの粘弾性、砥粒の粒度、粒質の適切な選択が必要となります。

メディアの仕様

メディアの粘弾度、砥粒、材質の組み合わせにより調合され、一般的には鋳鉄、アルミ、鉄(銅)には炭化珪素[炭化ケイ素 (SiC) ]を入れたメディアを使用します。
また、超硬・セラミックにはダイヤモンドパウダーを入れた ダイヤモンドメディアを使用します。
ディエムシーは、多種多用のメディアを保有し、メディアの特需供給も可能です。

砥粒流動加工のメリット

  1. バリ取り、R付けでは工具の届かないところまで加工可能であり、均一な仕上げ面を作ることが出来ます。また、2次バリの発生が無く、加工中の残留応力や熱ひずみによる加工変質層が形成されません。
  2. 金型磨きでは、手作業時間の短縮が可能であり、また未熟練者による作業でも均一の仕上げ面を作ることができます。
  3. 機械化による仕上げ精度の均一化を保証します。仕上がりを金属の流れ方向と同一にする加工も可能であり(吹き出し加工)、金属寿命と製品の品質向上に貢献します。

当社の砥粒流動加工機

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